これからコンディショニングを学ぶ方の為の基礎知識講座

第22回「栄養学の基礎知識」

栄養素の中でエネルギー源となっているのは、●3大栄養素といわれる、「炭水化物、タンパク質、脂質」の3つです。その3つに身体の機能を調節する役割を果たす「ビタミン」「ミネラル」を加えて●5大栄養素となります。


▼体つくり▼

身体を形成しているのは「たんぱく質」です。
たんぱく質は体の骨や組織、筋肉を作る基になり、常に損傷と修復を繰り返しています。乳製品、卵、肉類、豆、豆製品、魚類などの食べ物から補給されます。


▼エネルギー源▼

身体を動かすためのエネルギー源は、たんぱく質、炭水化物、脂質の3大栄養素ですが、主に「炭水化物」と「脂質」がエネルギーとなっています。
「炭水化物」はご飯、パン、麺類などから、「脂質」は油類、種実類から補給されます。


▼身体の機能調節▼

身体のコンディションを調整する役割はビタミンとミネラルです。
身体活動に欠かせない代謝調節や生理活動、酵素作用の作用があります。
約13種類の「ビタミン」には、水溶性と脂溶性に分けられます。「ミネラル」は体内に約20種類含まれ、身体をスムーズに動かすために欠かせない栄養素です。
「ビタミン」は野菜、果物、イモ類など「ミネラル」は乳製品、果物、豆類、野菜などから、補給されます。

第21回「超回復」

超回復とはトレーニングで身体に負荷がかかることにより、身体は疲労し運動能力は低下してしまいます。しかし、トレーニング後に最適な栄養と休養をとることにより身体の機能は改善されトレーニング前よりも、 もっとパフォーマンスを高めることができます。この現象を超回復といいます。


▼効果的超回復とは▼

それでは効果的超回復はどのように作りだせばよいのか?これは、トレーニングの内容(強度や回数、時間など)または、個人差により違いがあるので、 「これくらいの休養が良い」ということはできませんが、通常、筋の回復には24~48時間の休養時間が必要だといわれています。 その他、筋グリコーゲンの回復には10~48時間かかるといわれています。効果的超回復は「トレーニングによる疲労と回復のための休養のバランス」を最適にとる事が大切なのです。もし、休養や栄養が足りない場合は、疲労の蓄積によりパフォーマンスは低下してしまいます。この状態を続けることで、オーバートレーニングに陥ることもあるので注意が必要です。逆に休養をとりすぎている場合は超回復の効果が消失してしまいます。


▼超回復とトレーニングの原理▼

超回復の効果は持続性のあるものではありません。
超回復の効果を持続させながら、さらにレベルを高める為には「継続性の原理」「過負荷の原理」「漸進性の原理」が関係します。
「継続性の原理」(トレーニング+休養)を繰り返し行う。
「過負荷の原理」一定以上の高い負荷をかける。
「漸進性の原理」少しづつ段階的に進めるトレーニング。
即ち、トレーニングの強度が低ければ超回復の効果は少なく、負荷が高すぎる場合は回復に多くの時間を要し、高い効果を得られない。


▼超回復の生理学的適合▼

効果的なトレーニング内容であればあるほど、細胞レベルの損傷やグリコーゲンの消耗などの身体的ダメージが大きくなります。ダメージを受けた身体は最適な休養と栄養を与えることによりトレーニング前以上に改善されます。心理的安定や筋神経線維の動員増加など神経系改善にも効果が現れる他、生理学的改善としては、ミトコンドリアの増加、筋グリコーゲンの貯蔵増加などエネルギー量増加や筋肥大、酸素摂取能向上といった結果となりレベルが向上します。

第20回「赤身の魚と白身の魚」

「赤身の魚と白身の魚」といっても、栄養学の話ではありません。今回は筋肉の種類の話です。


▼魚の身の色▼

赤身の魚といえば、カツオやマグロなどが思い浮かびますが、これらの魚たちは1日に100kmや200kmはゆうに泳ぐ魚です。
白身の魚といえば、コイやタイのように滝をも登っていくような威勢の良い魚があげられます。
つまり、カツオやマグロなどのように持久系の赤身魚に対し、コイやタイなどの白身魚は瞬発系と言えるのではないでしょうか。
赤身、つまり、赤く見える筋肉は筋肉内に多くの血管が入り込み、赤く見えます。これは血液からエネルギーを得て、長時間、長い距離を泳ぐことを可能にしています。
白身、つまり、筋肉内にあまり血管がなく白い身の魚は、短時間に力を出すが、長距離は泳げないのです。


▼赤筋と白筋▼

魚の身が人間の筋肉とまったく同じとは言えないかもしれませんが、人間の筋肉のタイプも大きく2つ に分けると、赤筋と白筋に分けることができます。
赤筋は「遅筋」、白筋は「速筋」とも呼ばれ、赤筋(遅筋)は持久力に優れた筋肉で、白筋(速筋)は瞬発力に優れた筋肉です。
「継続性の原理」(トレーニング+休養)を繰り返し行う。
「過負荷の原理」一定以上の高い負荷をかける。
「漸進性の原理」少しづつ段階的に進めるトレーニング。
即ち、トレーニングの強度が低ければ超回復の効果は少なく、負荷が高すぎる場合は回復に多くの時間を要し、高い効果を得られない。


▼人の筋線維の分類▼

赤筋と白筋、つまり、遅筋線維と速筋繊維の2つに大別しましたが、速筋繊維は、さらに2つのタイプに分類されます。
遅筋線維は「SO線維」ともよばれ、収縮速度は遅いが、酸化能力に優れていて、疲労しにくい特性を持っていますが、速筋線維には収縮速度が速く解糖能力に優れているが疲労しやすい「FG線維」と呼ばれるタイプと、もうひとつのタイプは収縮速度が速いが疲労しにくいという特徴があり、SO線維ととFG線維の中間に位置する「FOG線維」と呼ばれるタイプの筋線維があります


このように筋線維の特性により、一流マラソン選手の脚の筋肉は遅筋線維の割合が非常に多く、一流短距離選手では速筋線維の割合が非常に多いといえます。

第19回 「ミドルパワー・持久力」

マラソンなどとは違う持久力の種類はどんな持久力なのでしょうか?
サッカーのような競技では、全速力でボールを追いかけ、少々ゆっくり走ったり、 時には歩いたり、そしてまた走る、90分間、これを繰り返さなければなりません。
このような運動は「間欠的運動」と呼ばれ、強い、弱いの反復を不完全な休息を入れながら続ける運動で、 このような運動に必要とされる持久力のことを 「ミドルパワー・持久力」といいます。
サッカー選手のような間欠的運動は無酸素性運動の中でも乳酸性運動であり、これを繰り返すと乳酸の生成量がどんどん増えます。
普段から「乳酸除去を高める」能力を向上させるような、それに適応するトレーニングを積んでいる選手でも、 激しく動いた選手は乳酸生成量が乳酸除去量を上回り、血中乳酸濃度が上がってしまいます。
その結果として、後半の最後の方になると、前半から激しく動いた選手の運動量が急激に落ちてしまうのです。


▼サッカー選手の脚▼

サッカーはダッシュを繰り返す、走りっぱなしの競技ですが、陸上の短距離選手との、決定的違いは、大腿四頭筋の発達です。ハムストリングだけでなく、「サッ カー選手はボールを蹴る」という運動、すなわち、膝を伸展する筋肉(大腿四頭筋)が非常に発達しているのです。

第18回「運動と筋肉痛」

久々にスポーツを楽しんだ人が、その2日後位に、筋肉痛がでている人はいませんか?
運動をした翌日ではなく、それよりもっと時間が経過してから筋肉痛がでることがありますが、これは「遅発性筋肉痛」といい、運動直後には、筋繊維自体に痛みを感じなかったけれど、損傷した部位で炎症反応がおこり、それが時間を経て神経線維を刺激して、遅れて痛みを感じる筋肉痛のことです。
そもそも筋肉痛は普段全く運動をしない人や、ある程度の運動はしているが普段やっていない運動を急にやったときなどに発生します。
その運動パフォーマンスの中で伸張性筋活動が筋肉痛を引き起こすことが解っています。
伸張性筋活動では活動筋繊維が少ないところへ、大きな力が発揮されるために筋繊維が損傷されることが原因となります。
通常、あまりひどくない痛みは休養と栄養を与え、同じ運動を繰り返すことにより筋繊維は強くなり、痛みも感じなくなりますが、痛みがひどい場合は運動を中止する必要があります。

第17回 「アメリカでのサプリメント使用率」

アメリカ人オリンピック選手においての、サプリメント使用率は実に高く、約95%の選手がサプリメントを使用しているそうです。
アメリカの高校スポーツ選手においても、約55%という調査結果もあり、競技レベルが上がるにつれ、サプリメント使用率も高くなっています。
もっとも、アメリカの一般人のサプリメント使用率自体も非常に高く、約45%の人が何らかのサプリメントを使用していて、年々、サプリメントの消費が増えているようです。
トップレベルのスポーツ選手においては、サプリメントだけでなく、禁止薬物の摂取も後を絶ちません。
多く使用されているサプリメントの種類は、ビタミン、ミネラル、プロテイン、アミノ酸、ハーブ、クレアチンなどです。

<サプリメントの規定>
「食事を補うことを目的とする」製品であり、下記の栄養成分のうち1つ以上を含むもの。・・・・と規定されています。
・ビタミン・ミネラル・ハーブまたはその他の植物・アミノ酸・栄養摂取の総量を増やすことで、食事を補うために男性や女性が利用する栄養物質
・それらの成分のいずれかの凝縮物、代謝産物、抽出物、構成物質、または化合物

第16回「相撲の力士と内臓脂肪」

内臓脂肪(腹腔内深部につく脂肪)は分解、合成された遊離脂肪酸などが肝臓へ流れ込み、糖や脂質の代謝障害を起こしやすくなるので、生活習慣病と密接に結びつきます。
内臓脂肪は皮下脂肪に比べ、エネルギーの過剰摂取で蓄積されやすいが、運動により減少されやすいと云われています。
これは脂肪合成能が代謝的に活発でアドレナリンやノルアドレナリンなどのカテコールアミンに対する分解反応が高いからです。
食事の摂取量が多く、一見、太っているように見える相撲の力士はハードな練習量により、内臓脂肪の合成に抑制をかけているため、内臓脂肪は少ないと云われています。
すなわち、カテコールアミンに対する反応性が高い内臓脂肪は食事制限よりも運動による効果のほうが高いといわれています。

第15回 「酸素と身体エネルギー」

大気中から取り込まれた酸素は気道をとおり肺に入り、心臓の働きにより血液に取り込まれた酸素を全身の細胞に送り出します。身体活動の基となる筋肉ではこれをエネルギーとして使います。このとき発生した二酸化炭素は静脈をとおして心臓に戻ってきます。 心臓に戻ってきた二酸化炭素は再び肺へ送り、排出することになります。
さて、筋肉は酸素が直接エネルギーとなるわけではなく筋活動のエネルギーはグリコーゲンや脂肪を利用しています。取り込んだ酸素で食物を燃焼させて蓄積し分解するシステムがエネルギーの基でありATPといいます。ATPは「作って蓄積して燃焼して、また作る」常にこれが体内で繰り返えされているから、身体を動かせるのです。筋収縮のエネルギーATP ATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)とリン酸に加水分解されるときに放出するエネルギーを用います。
すなわち、ATPという、リン酸が3つ付いているアデノシン三リン酸から、二つ目のリン酸が離れるときにエネルギーが発生します。

第14回「運動パフォーマンスと競技開始時間」

北京オリンピックが始まり、日本選手も大活躍です。世界記録も続々出て、盛り上がってきました。
さて、メディアなどの影響力もあり、競技の開始時間は早朝から夜中まで種目により、いろいろですが、記録と開始時間に影響はないのでしょうか?
パフォーマンスに影響を与える要素はたくさんありますが、朝、起床して、夜、就寝する通常の行動パターンから考えると、競技開始時間とパフォーマンスには影響があるようです。
通常の行動パターンで考えると「最大パワー、最大酸素摂取量、筋力、柔軟性」は朝より夕方ピークとなり、記録は出やすいといわれています。
したがって、陸上の短距離、中距離や水泳などのように、比較的短い時間で勝負が決まる競技種目では夕方のほうが記録が出やすいようです。
逆に、精度を要する競技種目は朝のほうが好成績が生まれるといわれています。
また、マラソンやトライアスロンのように、長時間の競技では、身体的パフォーマンスのピーク時間帯よりも、環境条件のほうが影響力がおおきく、特に暑熱環境下で行われる場合は早朝に開始されたほうが、成績が良くなると考えられます。
以上のように競技開始時間とパフォーマンスの発揮にはおおきな関係があり、選手やコーチはその開始時間に合わせて、生理機能を高めるように調整をします。

第13「リハビリやストレッチでよく聞く「PNF」って?」

PNFとはもともとはポリオ後遺症患者の筋収縮を高めるための生理学的理論を構築した医師と理学療法士が開発した運動療法です。最近では脊髄の疾病だけではなく、神経疾患のリハビリやスポーツにも応用されています。
PNFは(proprioceptive neuromuscular facilitation)の略で、日本語では固有受容性神経筋促通法といいます。
PNFは「固有受容器を刺激して、神経筋の反応を促通する方法」です。
PNFで刺激する固有受容器は筋紡錘、腱紡錘、関節上の皮膚、のほかに、関節包、靭帯にもあります。
関節を圧縮または牽引したり、抵抗運動と筋の伸張をしたりすることにより、受容器を刺激する方法があります。
これらの方法は、神経筋機構の改善または向上、関節可動域の改善または向上などの効果があります。

第12回「水分の摂取と排出」

人間の体の約60%が水分です。成人では1日の水分の平均摂取量と排出量は次のようになります。


摂取量

飲料水 : 約1200ml
食物から : 約1000ml
その他に代謝により : 約300ml
合計 約2500mlの水分が摂取、代謝されています。


排出量

排尿 : 約1400ml
排便 : 約100ml
発汗 : 約700ml
その他に呼気により : 約300ml
合計 約2500mlの水分が排出されています。
トレーニングなどで発汗した場合はいうまでもなく、水分を補給しなければなりません。
この場合、損失した水分が体重の2%を超えないように注意が必要です。
しかし、発汗で失う水分には電解質も含まれていますので、水だけの補給ではなく電解質を補えるスポーツドリンクも必要かも知れません。
体重の3%の水分が失われると、パフォーマンスが低下するといわれています。
ということは「喉が渇いてから、水を飲む」では遅いのです。
喉が渇いて、水をガブガブ飲むのも良くありませんから、こまめな水分補給が大切です。

第11回「筋肉が太くなってからだが大きくなれば力も強くなるのか?」

トレーニングにより筋肥大すると、羽状角(うじょうかく)が大きくなります。 羽状角とは、筋肉の方向に対し、筋線維は斜め方向に延びています。この筋肉と筋線維がつくる角度のことをいいます。


羽状角が大きくなると、筋は肥大しますが、筋肉の方向と筋線維の方向との差が大きくなり、筋出力の発揮効率が悪くなることもあります。
すなわち、筋肥大=筋力増加とはならない場合があります。
筋力アップのためには、


1.筋肥大
2.筋線維の動員数の増加(普段あまり使われていない筋線維を働かせる)この2つに分けられます。
ボディビルのように、筋肥大させる必要があるトレーニングや、体重で階級制があるレスリングやボクシングのように筋肥大させずに筋力を高めるトレーニングなど、目的にあったトレーニングが大切です。

第10回「活性酸素と抗酸化物質」

体内に取り込まれた酸素の約2%はフリーラジカル(活性酸素)になります。活性酸素は他の物質と結びつきやすく、結びついた物質は電子をうばわれて、さらにフリーラジカル化します。そうして次々とフリーラジカルができてしまいます。
その結果、体内の細胞の破壊や脂質の酸化により、癌やその他にも様々な疾患をひきおこしてしまいます。


人間の体内には、活性酸素を抑制する抗酸化作用がありますが、過剰に酸素が取り込まれたり、喫煙やストレスなどで体内の抗酸化物質では抑制しきれない活性酸素が発生します。
そのようなときは食品などから、抗酸化物質を摂取するべきでしょう。下記は抗酸化作用が期待できるものです。


ポリフェノール~カテキン、タンニン、イソフラボン、フラボノイド
カルチノイド~リコピン、βカロチン
そのほかに、ビタミンCやビタミンEなどの栄養素

第9回「足底のアーチとインソール」

足底には3つのアーチがあり、歩行やランニングの際の推進力や反発力を生み出しています。 また、立っているときのバランスをとったりもしています。
3つのアーチとは、まず踵(かかと)から親指側の中足骨までの内側縦アーチと踵(かかと)から小指側の中側骨までの外側縦アーチ、そして、中側骨を横に形成する横アーチでできています。


このアーチが体重を支え、体のバランスを調整しているのです。
もし、このアーチがくずれてると、運動時のパフォーマンスが下がったり、障害を発生したり、疲れやすくなったりしてしまいます。
最近スポーツの世界で多く使用されているインソールは「アーチを形成しなおしたり」「足底の隙間をうめて、動きのロスを減らしたり」または「下からの衝撃を吸収して足裏を保護する」などの目的でたくさんの種類のインソールが販売されています。


スキーや自転車などの上級者においてはほぼ常識的に別注のインソールが使用されているようです。 カスタムオーダーの高価なインソールもありますが、自分の足型に合わせたからといって、ベストなインソールとはいえませんが、スポーツ競技により、または個人の足の状態により目的にあったインソールを選ぶことで、「障害を予防したり」「悪い動きの癖が修正されたり」「疲れにくくなったり」の効果が期待できるので、自分に合った良いインソールを試してみるのは良いことでしょう。

第8回「日常の食べ物のカロリーと運動によるカロリー消費量」


日常食品のカロリー

【穀類】
・ご飯、普通の茶碗1杯 150g  252kcal・食パン、6枚切り1枚 60g 158kcal・クロワッサン、1個 40g 179kcal
・そば、1人前 180g 238kcal・スパゲティ、1人前 100g 378kcal

【乳製品】
・牛乳 200ml 141kcal・無糖ヨーグルト 100g 62kcal
・プロセスチーズ、1切れ 25g 85kcal・バター、1かけ 12g 90kcal

【豆腐と卵】
・木綿豆腐、1丁 300g 216kcal・絹ごし豆腐、1丁 300g 168kcal・鶏卵、1個 50g 76kcal

【調味料その他】
・マーガリン、大さじ1杯 12g 91kcal・マヨネーズ、大さじ1杯 12g 84kcal・ケチャップ、大さじ1杯 12g 15kcal
・ソース、大さじ1杯 12g 14kcal・砂糖、大さじ1杯 12g 47kcal


運動別カロリー消費量

【日常の運動、30分】
・散歩程度に歩く 68kcal・早歩き 120kcal・自転車 (普通の速さ) 97kcal・軽いランニング 245kcal

【スポーツ車その他の運動プログラム30分】
・ストレッチやヨガ 66kcal・ゴルフ 105kcal・エアロビクス 131kcal・テニス、スキー、バレーボール 182kcal
・サッカー、バスケットボール 208kcal・ボクササイズ 274kcal・水泳 (平泳ぎ) 350kcal・水泳 (クロール) 500kcal


ということは、ご飯を茶碗1杯食べた分を消費させるためには、30分の軽いランニングをしなければ、その分の消費はしないという計算になります。だからといって、食べずに食事を制限するのもよくありません。1日の運動量と摂取カロリー量のバランスを1度計算してみるのもいいですよ。

第7回「運動能力は遺伝するか?」

運動能力は遺伝するか?
・ 身長はほぼ、遺伝により決まります。
・ 体重も高い確率で遺伝といえます。
・ 筋線維組成も遺伝の影響が強いといわれています。


ただし、身長は別として、体重は食生活やトレーニングなどにより、コントロールすることが出来ます。 筋線維組成もトレーニングによって、変化させることもできます。 したがって、一流選手の子供が一流選手になるとは限りません。一流選手の子供は「一流選手の子供だから」というプレッシャーに打ち克って努力をしなければ、素質だけではどうにもならない部分も多くあります。 親が一流選手でなくとも、親から受け継いだ自分の体力特性を十分、把握することにより、自分に適した競技を選び、一流となるケースもたくさんあります。


何よりも大事なことは、「そのスポーツが大好きだ」ということです。どんなに、トレーニングがきつくても、「大好きだから、続けられる」ということが一番なのです。

第6回「筋肉と健と靱帯」

<筋肉>

筋肉には、自分の意思で動かせる随意筋と自分の意思には関わりなく動いている不随意筋があります。 不随意筋には内臓の壁を作る平滑筋と心筋があります。(心筋は横縞筋ですが不随意筋です)体を動かす骨格筋は随意筋であり、全て横縞筋です。(骨格筋は体重の約40%を占めています) それぞれの骨格筋は関節をまたいで骨に付着し、筋が収縮することで、関節を動かす能動的運動器官です。


<健>

筋肉の末端部分にある強い線維組織で、骨に付着していて、筋肉の収縮とともに、骨を動かします。手足の健は細長く、他の部分より特に発達しています。


<靱帯>

骨と骨を連結させて関節を補強したり、運動の制限をする役割をしている強くて硬い帯状の結合組織です。健と同様に非常に強い組織ですが、それほど弾力性はありません。
*「靱帯が伸びちゃった」という言い方を耳にしますが、そんなときは、部分断裂していることがあります。靱帯が完全断裂すると、関節の安定性は完全に失われ、強い圧痛があります。

第5回「テーピングの種類」

テーピングにも数種類あり、それぞれに違う特徴や使用方法があります。


~スポーツテーピング~

アメリカンフットボール、ラグビー、バスケットボールのような、コンタクトスポーツによく使われ、主に、関節を固定して、怪我を予防する目的で使われます。一般的にスポーツテープとは伸び縮みしないコットンテープで、固定目的のものをいい、伸縮性のエラスティックテープと併用して使う方法もあります。


~キネシオテーピング~

伸縮性があるキネシオテープは傷めている筋肉に沿って貼ることにより、筋肉を補強する意味で使われることが多く、スポーツテープに比べ、貼り方もそれほど難しくはありません。


~チタンテーピング~

チタンテープは粘着部分に、加工したチタンがコーティングしてあり、貼ることにより温熱効果をもたらし、筋肉を弛緩させる目的で使用されています。ただ貼るだけなので、使い方は簡単です。


~スパイラルテーピング~

スパイラルテープは運動機能向上と痛みを和らげる目的で開発されたテーピング方法で、筋肉の方向性を考えながら格子状に貼らなければならないため、筋肉の機能解剖の知識とテーピングテクニックが必要となり専門家以外は正確に貼ることは難しいテーピングです。

第4回「冬に風邪をひくのは寒いからではない」

風邪は、空気中にあるヴィルスなどの細菌を吸い込み、それらの菌から体内を攻撃されることによりおこります。


しかし、人の体には外から入り込もうとするそれらの菌を「外へ押し戻す力」(抵抗力)があり、空気中に存在する通常の菌には負けない力があります。
ただ、栄養不足や睡眠不足または疲労などにより体力が低下している時は抵抗力が弱まり、ヴィルスを受け入れてしまい、風邪をひいてしまうのです。


それでは、冬に風邪をひきやすいのはなぜか?
冬は空気が乾燥するからです。 喉や鼻には粘膜があり、空気中のヴィルスなどはこの粘膜から体内に入ります。粘膜からはいろいろな分泌物が出て、外からの異物が侵入しないように防ぐ働きをしています。その粘膜が乾燥してしまうとヴィルスが簡単に体内に侵入して風邪をひいてしまうのです。


風邪をひかないようにするためには、栄養、睡眠を十分にとり、疲労を蓄積しないように気をつけて、乾燥する時期にはこまめな水分補給をするようにしましょう。

第3回「プロテイン」と「アミノ酸」の違いは何?

そもそも「プロテイン」とはタンパク質のことで、筋肉の構成物質であり、身体の大部分を占める栄養素です。プロテインは口から摂取して、胃を経て腸から吸収されますが、しだいに、プロテイン→ペプチド→アミノ酸と細かく分解されていきます。したがって、プロテインもペプチドもアミノ酸も皆同じタンパク質なのです。当然、売っている段階で、ペプチドやアミノ酸の形にしてあれば、加工の工程に手間がかかっていますので、値段が高くなっているのが普通です。
違いは吸収時間の速さです。(プロテインを既に分解した形になっているペプチドやアミノ酸は吸収時間が速い)

第2回「アイソメトリックとアイソトニック」

アイソメトリックとアイソトニックとは筋収縮様式を大きく2つに分けたもので、


~アイソメトリック収縮~

(等尺性収縮)関節の角度や筋の長さが変わらない収縮で、筋の出力は負荷と等しくなります。関節を固定するために力を発揮するため「静的 収縮」とも呼ばれます。


~アイソトニック収縮~

(等張性収縮)関節角度が変化する収縮で、さらに、コンセントリックとエキセントリックに分けられます。


コンセントリック収縮

(短縮性収縮)筋が短くなりながら力を発揮します。関節角度は筋が力を作用させた方向へ変化します。負荷よりも大きな力を発揮するため「正の収縮」とも呼ばれます。


エキセントリック収縮

(伸張性収縮)筋が伸ばされながら力を発揮します。関節角度は重力負荷をゆっくり下降させる方向へ働きます。筋出力は負荷よりも小さいため「負の収縮」とも呼ばれます。
例えば、手で20kgのウェィトを持って、肘関節の角度を一定に保つようにすれば、アイソメトリック収縮。20kgのウェィトをゆっくり上へ上げるとき(筋短縮)ではコンセントリック収縮、ゆっくり下へ下げるとき(筋伸張)ではエキセントリック収縮という筋活動が生じます。

第1回 「RICE」って、よく聞くけど何?

RICEは以下の頭文字をとって「ライス処置」と呼ぶ応急処置のことです。


R:Rest(安静)
I: Ice(冷却)
C:Compression(圧迫)
E:Elevation(挙上)
まず、患者を安全な場所に確保して状況にあわせた安静な状態を保つ。
(R:安静)
次に、外傷の多くにみられる内出血や腫脹をおさえるために氷やアイスパックで冷やす。
(I:冷却)
冷却と同時に内出血や腫脹をおさえるために圧迫する。
(C:圧迫)
冷却、圧迫した患部を心臓より高い位置に保ち、内出血、腫脹、出血をおさえる。
(E:挙上)
以上、応急処置のテクニックのことを「RICE処置」と云います。